AHA Guideline 2010のスケジュール [講習会]

蘇生法について、最近は5年ごとにガイドラインが改正されています。
前回のガイドライン改訂は2005年で、その時の新しいガイドライン; G2005では
CPR中の圧迫と換気の比が15:2から30:2になりました。

今年は新ガイドライン発表の年。ガイドライン2010; G2010です。


この策定に関わるステップはというと・・・

世界中の科学者が集まって世界中のエビデンスを検討し
ILCOR; International Liaison Committee On Resuscitationとして
より効果的な蘇生法についてコンセンサス
CoSTR; Consensus on Science with Treatment Recommendationsを発信し、
それに基づいて各地域が地域の事情に合った形でガイドラインを策定します。

最も大きな影響力を持つのがAHAアメリカ心臓協会のガイドラインではないかと思います。
(少なくとも私にとっては・・^_^)
AHA ECCプログラムの新ガイドライン準拠マテリアルの発行ほかに関する
スケジュールが、公式日本語サイトに発表されています。
http://eccjapanheart.org/

AHAガイドラインの発表はCoSTRの発表と同日、10月18日に行われるようです。
(ILCORの主要構成員だからなせる技です。
ILCORメンバーでなければ、発表されたCoSTRを見て、
地域に合うかどうか逐一吟味して、それからガイドライン策定・・と、時間がかかります)

翌月にはシカゴでのAHAの学会の一部として、
Resuscitation Science Symposium;ReSSとともに
インストラクターカンファレンスを開催します。

新しいガイドラインの背景にある科学を教えると共に
新しいコースのコンセプトを広める機会を一度に持つというわけです。

またBLS/ACLS/PALSの各セッションも開催されますし
インストラクションについてのレクチャーもあるようです。
http://scientificsessions.americanheart.org/portal/scientificsessions/ss/


11~12月にはCurrentsというAHAの雑誌を発行して
ガイドラインのサマリーを表し、暫定的なトレーニングツールの話題も盛り込まれそうです。

翌年の1~2月にはハンドブック、3~4月にはBLS、4~6月にはACLSやHeartsaver、
7~9月にはPALS、10~12月にはPEARSのマテリアルがでるようです。

AHAの日本語化マテリアルに関しては、時期は明記されていないものの
ハンドブック、BLS、ACLS、Heartsaver、PALSに加えて
Family & Friendsのマテリアル刊行も決まっているとのこと。


移行期間は何かと大変ですが、より効果的な方法を知る事ができ
しかも日本においてはなるべく沢山の人に広めるツールが
自国語で刊行される予定というのは、歓迎すべき事ですね。

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てつ

Kiteさん、こんにちは。

G2010って、どんな感じになるんでしょうね。
圧迫重視で60:2とか。まさか、そんなことはないでしょうが。
Handsonly CPRの扱いも焦点の1つになるのかなーとか想像してます。

また、てつはFamily and Friendsシリーズの日本語化も楽しみです。
AHAのFamily and Friendsは、日本の市民向け救急法(たとえば日赤など)に比べてもかなり実践的で、優れたマテリアルだと思うからです。
では!(^o^)/
by てつ (2010-10-02 03:33) 

yamako

でましたね・・・
読む読むっ!!
指導もすっきり・・・救命率もアップすればさらによし・・。

by yamako (2010-10-18 18:40) 

Kite

yamakoさん、コメントありがとうございます。

意識を確認する時に呼吸も評価するって・・・実際どうやるんだ~!?
なんて思ってしまうのは、やはり几帳面な日本人だからでしょうか(^^)

でも、人工呼吸より胸骨圧迫を先に!という点は納得ですね。
by Kite (2010-10-18 22:21) 

yamako

唐突に書き込んだ無礼をお許し下さいf^_^;)

『A・B・C」から「C・A・B」への変更ですから、早く胸骨圧迫を
実施させたいんですね。納得です。

意識が無いと判断して胸骨圧迫に移る。脳への循環が遅れる事のリスクの方がが大きいんですね。バイスタンダーへの指導も楽?になります。d(^_^o) 呼吸の「有る、無い」の判断が出来てない?いや、できない現場が多いんですね!!



by yamako (2010-10-19 12:40) 

Kite

yamakoさん、ありがとうございます。

たしかにG2005での一般市民への指導では、呼吸なしを確認した後で2回の人工呼吸をし、
改めて30:2で胸骨圧迫からのCPRを始める感じが、違和感ありましたもんね。(最初の2回は何なんだ~という感じで。)

ただガイドライン2010での一連の流れがどうなるのか、まだ掴めないので
教育マテリアルの発表が待ち遠しいですね。

by Kite (2010-10-20 17:32) 

yamako

ですね!!
「咳CPR」ってのがあるんですね。
知りませんでした。
by yamako (2010-10-21 11:53) 

Kite

yamakoさん、いつもありありがとうございます。

CPRの歴史を見ると、古代は面白い方法も多いようです。
・馬の背中に心停止した人を乗せて、馬を走らせる「乗馬CPR」とか
・樽の上を転がす「樽CPR」
・肛門からたばこの煙を入れる「燻蒸CPR」
・脚を縛って木につるし、上げ下げして呼吸を促す「逆さづりCPR」など・・

咳CPRの話から、↑こんな話に脱線して、スミマセン。
by Kite (2010-10-21 17:13) 

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