日本版ガイドライン2010 [講習会]

AHAガイドラインの話の中に
<AHAガイドライン日本語版マテリアル>についても記事にしました。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2010-09-29

日本版ガイドラインというのも、立派に存在します。
つまり、日本人がCoSTRを元に、
日本の事情にあった形で策定される、日本オリジナルのガイドラインです。

AHAガイドラインは、アメリカの事情で作られている事もありますので
日本語化する時に注釈が必要な部分もあります。
(とはいえ、いまやAHAコースはWorld wideに展開されているので
以前ほどアメリカ特有ではなくなりました。)

日本版ガイドラインは、
日本救急医療財団および日本蘇生協議会で構成するガイドライン作成合同委員会
というところから発表されます。

今回のCoSTR策定にあたって
日本蘇生協議会JRCが初めてILCORメンバーに選ばれたため、
2010年改正の日本版ガイドラインの発表は非常にスピーディーで
CoSTR発表の翌日にはドラフト版が発表されるようです。
http://jrc.umin.ac.jp/


くどいようですが、
ILCORメンバーでない国や地域でのガイドライン発表までには
メンバーである地域に比べてタイムラグがあります。

CoSTR発表まではその内容はメンバー以外には絶対秘密にされます。
ですから、メンバーでないと、CoSTR発表で初めてその内容を知り、
一つ一つ吟味して、地域の事情を考慮し、地域のガイドラインを策定するので
時間がかかるわけです。

その点で2010年はJRCがメンバーですので、タイムラグは最小です。

「じゃあ、わざわざ地域の事情が違うかも知れないAHA(アメリカ)のガイドライン
日本語版(翻訳版)を発表する必要がある?日本版ガイドラインでいいじゃん」
・・と思われそうですが、実はそうとも言い切れません。

CoSTRは膨大な科学的データを元に発表されますが
まだ絶対的に正しいと決まっていない事などについては
“もう少しデータが必要である”といった声明になります。

しかし、現場でどちらでもいいという訳にはいかないので
各ガイドラインによって独自に判断して決められる事もあります。

(Hands-only CPRをAHAが2008年に発表した後の、
人工呼吸の要否に関する混乱が典型的な事例かも知れませんね)

どちらがより良いかは今はまだ分からないけれども、
どのガイドラインに沿ってトレーニングをするかといったベースを明らかにするのは
教わる側の混乱を防ぐためにも必要ですよね。
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