化膿性関節炎~治療編 [医学~臨床]

化膿性関節炎シリーズ(?)
今回は治療法についてです。

治療戦略の鍵は「早く炎症を沈静化させる事」です。
関節の機能温存が大事ですから、早期に診断・治療開始して
関節破壊を進行させない事が肝要です。

関節破壊は、急速に進行します。
好中球や細菌の蛋白分解酵素によるとされています。
ですから、症状から疑って
早期に診断をつけて(場合によっては採血結果に惑わされずに)
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2010-08-13
すぐに治療を開始します。

大人の大関節(膝や股関節など)では
切開+洗浄+持続洗浄が一般的です。

切開法はマクロで行う事もありますが、一般的には
侵襲の小さい(≒関節拘縮を来しにくい)関節鏡視下で行われる事が多いようです。

持続洗浄にはダプルルーメンの洗浄管を使います。
単純にダブルルーメンのシングルルート(一方通行)の物もありますが
切開洗浄術後で血ぺいなどで詰まりやすい事もあり
ダブルルーメンで複数のルートを持つ(逆回転もできる)物を好んで使っています。
大分の川嶌先生が化膿性骨髄炎の洗浄用に開発された物だと伺っています。
http://www.coara.or.jp/~gensin/medical/news3.html

洗浄液の培養が続けて陰性であるのを確認して、抜去します。
おおよそ1~2週の持続洗浄を行うことになります。

しかし、関節鏡視下であっても
関節に侵襲を加えた後に1~2週もじっと安静にしておくと
ほとんどの場合、拘縮を来します(関節が硬くなります)。

CPM; Continuous Passive Motion apparatusを使って
関節運動を行いながら、持続洗浄を続けるといった工夫をしています。

患者さんの痛み、装置や洗浄器具操作時の清潔操作など
非常に気を遣う治療になります。


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