DMDへのステロイド9 [小児の発達]

DMDの患者さん・ご家族へ向けて作られたガイドブックの
第4章『神経筋のケアの仕方』表1.にある”ステロイドの副作用”を読んで
ステロイドの副作用の基本を勉強しなおしています。

既に勉強したのは、以下の項目です。
体重増加・クッシング徴候http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-03
多毛症とにきび・白せん・いぼhttp://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12
発達の遅れhttp://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16
行動の変化http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-18
副腎抑制http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
高血圧・耐糖能異常http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2015-02-24

今日は消化管に関する副作用です。
ステロイド長期服用では、比較的よく経験する副作用の様に思います。

副作用
「胃炎/胃・食道逆流」

解説と対処法
「逆流の症状(胸やけ)に注意しましょう。」

考え、医師と話し合う点
「アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド系抗炎症薬は避けましょう。
症状があれば、薬剤や制酸剤を投与することは可能です。」

ステロイドを服用する事で、胃酸の分泌が促進される様です。
一方で、胃粘膜自体の防御能力は低下する作用もあるため
アンバランスが起こって胃酸による胃粘膜の攻撃が成立するわけですね。

同様に、胃酸過多から食道への逆流症も起こりやすいようです。




副作用
「消化性潰瘍」

解説と対処法
「胃粘膜の損傷のちょう候となり得るので、胃痛の症状があれば報告しましょう。
貧血があれば、便潜血を調べましょう。」

考え、医師と話し合う点
「アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド系抗炎症薬は避けましょう。
胃腸科に相談しましょう。症状があれば、薬剤や制酸剤を投与することができます。」


胃炎が進行したり、さらに悪化したりすると、胃潰瘍となりえます。
他にも十二指腸や他の腸にも潰瘍ができるとの報告があるようです。

代表的な胃潰瘍症状として、潰瘍出血を起源とする便潜血があり
便が黒っぽくなったりして気づかれることもあります。

ステロイドと併用しがちなNSAIDsの服用を避け、
症状がある場合には、胃酸のアンバランス解消のための投薬を受ける必要があります。


繰り返しになりますが、副作用を丁寧に勉強している事も影響してか
ステロイドは副作用の多い怖い薬と誤解されがちなようです。
DMDに対する唯一の奏功薬であることを念頭においておき、
その使用中にもしもこんな症状が出たらステロイドによるものかもしれない…と
気付いていただけるように、との目的で記事を綴っています。

ステロイドを否定しているわけでも、怖いから使わないようにと訴えているわけでもなく
ましてや”使用中のステロイドを副作用がこんなにあるから中止する”など
本シリーズで意図した内容と全く反対にとらえられません様、重ねてお願いします。
nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。