DMDへのステロイド2 [小児の発達]

前回から、デュシェンヌ型筋ジストロフィー:DMDに対する
ステロイド治療を勉強しています。

患者さん・ご家族へ向けて作られたガイドブックの
第4章”神経筋のケアの仕方”の中にあるステロイド治療の記載を読んで
治療の方法や気をつける事などを勉強します。

まずは本編にあるステロイド治療の部分を読んで
基本的なステロイドの知識から勉強しなおしていきます。
第2章を勉強したシリーズと同様、「」内がガイドブックの記載です。

「基本的な事項」

「ステロイド(糖質コルチコイド、コルチコステロイドとも呼ばれる)は、
DMDにおいて筋力低下、運動機能低下の進行を遅らせる
唯一の薬剤として知られています。」

「ステロイド治療の目標は、より多くの社会参加を可能にするために
お子さんができる限り長く一人で歩けるようにすること、
そして、その後は呼吸や、心臓、整形外科的な問題を最少に抑えることです。
側わん(脊柱のわん曲)のリスクも軽減することができます。」

はっきりとした薬効や病態、薬理は探しきれませんでしたが
やはりステロイドの抗炎症作用によるものと考えられます。


DMDの患者さんの筋肉では、ジストロフィンの欠損・変異があるために、
ジストロフィンの役割の一つである”細胞内シグナル伝達”に異常を来たし
その結果、不可逆的な筋線維壊死が起こるとされています。
伝達すべき細胞内シグナルには、対炎症のシグナル(メディエーター)も重要です。
細胞の生死にかかわる、最重要シグナルとも言えますね。

その筋壊死を誘発する炎症自体を、ステロイドによって抑えることで
その下流にある細胞内シグナル伝達異常をカバー(マスク)して、
筋細胞死を減らす、というのがストーリーではないでしょうか。

それによって、長短期的な筋線維壊死・筋力低下・筋疲労や
身体機能低下を抑制しようという事ですね。


ステロイドの基本の勉強ですが、
次回は副作用についての記載を見ていきます!
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