けが予防~ロック機構付きシートベルトによる窒息 [小児の発達]

症例や勧告に学び〈チャイルドシートは必須〉を感じてほしい!シリーズ。

前回に引き続き、
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2014-07-02
日本小児科学会のInjury Alert(障害注意速報)という報告から学びます。

チャイルドシートを着けておらず、後部座席のシートベルトで遊んでいた
2歳の女児が、シートベルトで窒息した車内事故。

このAlertでは、原因対象物として
チャイルドシート固定のためのロック機構(ALR:Automatic Locking Retractor)が付いた
後部座席のシートベルト を挙げています。

ALRとは何でしょう?

このAlertのコメント欄にある説明を読むと…
『自動ロック式巻き取り装置(ALR)はシートベルトを最後まで引き出すとロックされ、
巻き込み方向にのみ動いて緩まなくなる。
これは、手持ちのチャイルドシートを簡単・確実に取り付けるために便利な機構である。』

良くわからなかったので、検索してみたところ
JAFさんのホームページに分かりやすい説明が載っていました。
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/child/crs_info.htm

ALR機能付きシートベルトであれば、チャイルドシートを固定した時に
巻き込み方向(チャイルドシートを座席に引き寄せる方向)にしか動かず
引き出す方向(チャイルドシートが緩む方向)に動かすのが難しくなるため
シートベルトを使うだけで、チャイルドシートを座席に固定できるという訳ですね。

ALRでないタイプのロック機能(ELR;Emergency Locking Retractor など)では、
基本的には固定金具等でチャイルドシートを固定する必要があるそうなので
確かに簡単にチャイルドシート固定ができる様になるという側面もあります。

最近では、シートベルトを最後まで引き出すとALR機能に切り替わる
ALR付きELRが主流のようで、今回のAlertにあるシートベルトも
どうやらこのタイプのようですね。

この事例の女の子は、遊んでいる中で
シートベルトを最後まで引き出し、首に巻きつけてしまったため
どうにか動かそうとベルトを引っ張ったり緩めたりするたびに
ベルトが締まる方向に動いて行ったのでしょう。

Alertの内容を見れば、この子のお母さんは、
助けようとするたびにどんどん締まるベルトを見て
どんなに怖い思いをされたかと、心痛を察するに余りあります。


このAlertに添えられているコメントに
他の事故についての情報も載っていましたので、
そちらも次回の記事で勉強します。
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