落雷~逆トリアージと合併損傷 [講習会]

落雷シリーズ(?)、今日は具体的な処置についてです。

大量の傷病者がでた場合(災害やNBCテロを含む)
限られた医療資源で可及的多数の人命を救うために
トリアージがなされます。

トリアージの方法はSTART法はじめ様々ですが
心肺停止:CPAの人には黒タグ、つまり蘇生を含めた処置を行わない
という判断がなされます(残酷ながら、そうなのです)。
特に日本の気質では受け入れがたい部分がありますが、
なるべく多くの「救える命を救う」為の判断です。

しかし落雷の場合は心肺停止後すぐに処置を行う事で蘇生率が高くなります。

心臓が通電による損傷を受けた場合でも(AEDなど除細動器でのショックと同様で)
心臓の自動能が回復する可能性があります。

また、通電により呼吸筋損傷も回復する可能性があります。
ただ、呼吸が回復するまでには時間がかかりますので
その間の低酸素症を人工換気で補っておけば、心肺回復の可能性が高まります。
http://mainichi-benkyou.blog.so-net.ne.jp/2010-09-26

落雷によるCPA患者は「救える命」になるという訳です。



ですから、落雷による多数傷病者をトリアージする時には
CPAの患者さんは“優先順位最下位”の黒タグにせず
“優先順位最上位“の赤タグとして処置を行います。

これを<逆トリアージ>と呼ぶそうです。

もちろん、トリアージ後の処置はすぐに始められるべきですが
救助する側の安全も大切です。

まだ雷鳴が聞こえるなど、現場が安全とは言えない場合には
CPA患者に対して人工呼吸のみを行った後に
要救助者全員を安全な場所に移す、というのが正しい行動のようです。

ちなみにこの対応↑
EPコースの復習に!とスタッフ参加した、先週末のEPコースで習いました。
EPコースでも時事ネタがとりいれられるんですね(^^)


それから、BLSやACLSの内容に関しては
雷撃傷患者に特化した違いはありませんが、
落雷による損傷を受けた患者の多くに、合併損傷がある事を念頭に行いましょう。

つまり、落雷時に外傷を負っている可能性が多いので
外傷アプローチ(頚椎保護や脳神経損傷を重視した処置)の目も必要です。

外傷に対する標準化プログラムであるJPTECやJATECのお話も、
そのうち別記事で勉強したいと思います。

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